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チョークコイルの特性

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・真空管アンプにおいてチョークコイルは電源からのリップル成分を消費し、電源からの平均されたノイズの少ない電力を得ることが目的です。

  逆に言えば、交流成分はこのチョークコイルで消費し、直流成分は通過すればいいのです。

  このことから電源トランスや出力トランスとは鉄材の特性が異なり、厚く損失の大きなものを用います(A級アンプの場合)。

  交流成分はチョークで消費し出力成分には現れないようにするためです。

  しかし、A級とAB級、そしてB級用のチョークが同じ特性では、AB級そしてB級アンプはその能力を発揮できません。

  これはA級アンプの場合、通過する電流は粗一定で必要なインダクタンス成分は大きい程安定した電源になると考えられます。

  AB級、そしてB級アンプの場合、信号の入力や出力によって必要な電流が変動します。

  この変動に応じて能動的に電流を大きくし、逆に信号が少ないときリップルを抑える特性を持たせます。

  このことは重要です。

  よってチョークコイルに求められる性能はアンプの特性によって異なります。

  ・A級アンプは安く損失の大きな鉄心を用います。

  ・AB級アンプは中クラスの鉄心と電流に応じて緩やかな電流増する特性を持たせます。

  ・B級アンプは鉄は出力トランスと同様鉄損が少なく磁束密度の高い領域まで使える高価な物が求められます。電流増に即対応するのです。

(細かいことはA級 AB級 B級をお読みください。)


  よってチョークコイルが能動的に電流や電力をコントロール出来る特殊なチョークとするのです。

  この特殊なチョークコイルを過飽和リアクトル (厳密には違います) と呼び、販売されています。

  しかし、何故かこの重要なコイルはオーディオアンプにおいては表面化しません。

電源の重要部品で、そのアンプの特性を決定づけるものですが、信号回路ばかりに気を取られ勝ちです。

  そしてこれらのコイルの情報は、企業は一切出してはくれません。
しかし減衰特性を言えば技術のある企業であれば製作はしてくれます。

  自分で試行錯誤し、必要な特性のコイルを製作する事もできますが・・・。

  理由は幾つかありますが、インダクタンスはトランスよりも設計が難しく、減衰特性まで含めたトータルに考慮されたものを作ることは簡単ではないのです。
  また求めた計算値から大きく外れる事も多く嫌がられます。
  (何個も失敗作を作らなくてはなりません。)

  そのような理由からインダクタンスについての重要な情報は、長い間知られない時代が続いたのです。


  この部品をAB級やB級アンプに用いていたのですからかわいそうなですね。



  応用としては、チョークコイルを使った定電圧電源も作ることができます。
ノイズや熱、そして寿命などについてとても安定した特性を簡単に得られます。
  よって多くのアンプでその能力を発揮するでしょう。



  しかし一般的にこの安定したコイルは製造が難しく、いつしか回路だけで解決する時代が続いたのですが、考えてみればコイルは様々な場所で大量に使われています。
  昔から多くの特性を持たせた特殊なコイルはあったのですが、このようなコントロールは忘れられていますね。

  そういうことから電源において大切な部品であることには変わりありませんが何故か知られていません。