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電源トランス

電源トランスに求められる項目は2つ

・効率の高い伝送能力

・安全に運用できる熱上昇に対しての余裕度


・効率の高い伝送能力は近年コア材の研究もすすみ、昔には考えられないほど向上。

しかし高効率を狙う以外、高価な鋼板を使用する必要はありません。

方向性鋼板の場合、鉄損の軽減がなされますが、その分高価になりますので、単純にどの程度の効率を狙うかはお金との相談です。

販売されているトランスについて鋼板の種類などの情報はありません。

よって、特別に高効率や高いレギュレーションを維持、または熱に対して余裕度を確保する等以外では一般的に採用しなくとも問題とはならない事が多いのです。

逆に方向性鋼板を使用し余裕度限界の設計よりも、磁束や熱に余裕を持った設計の方が、一般的には安心して使えます。


・使用周波数は
 電源トランスは通常50Hzに合わせて設計されます。このトランスは60Hzでの運用が可能です。
しかしレギュレーションは10パーセント程度悪化する事を知っていてください。
このことを想定して、タップを出している物もあります。

よって記述がない場合、50Hzで運用可能、厳密に性能を要求されない場合に限り60Hzでも使うことが出来ます。
 この場合鉄損は多くなり負荷の少ない運用中は鉄心温度は50Hzよりも上昇します。

 銅損は逆に少なくなります。

よって諸性能を厳密に規定されている、又は周囲の熱が問題になる場合は、50Hz用の変圧器を60Hzで運用するべきではありません。

この場合は60Hz用に設計された物を購入、又は新たに設計する必要があります。



逆に60Hz用のトランスを50Hzで使うことはできません。

内部の磁束密度をあえて低く設計している場合は運用可能な場合もありますが、一般には分かりません。

設計する場合、鉄損ぎりぎりの高い磁束密度での運用は、レギュレーションと伝送効率にとって有利でありまた、鉄と導線を減らせます。

そういうことから磁束密度に余裕をもった設計はしないのです。



・容量(出力)について
VAは単純に電圧と電流を掛けたものです。

トランスの重量が倍になると容量は倍以上になります。
重量と容量の関係には次の式が成り立ちます。

重量^(4/3)

よって近年のトランスは大型化する傾向にあります。

このことから、実は少しの余裕は大きな余裕の設計となります。

一時の不況から中国製品が大量に出回ったのですが、絶縁などでのトラブルが続出し再び国内産に戻りつつあります。


また、単純にVAを考える事はよくありません。

採用する整流回路や負荷の変動状況、運用時間、周囲温度等で、扱える電力も異なるからです。

整流回路の種類によっては、容量に余裕のあるトランスを据えたつもりでも、焼損することがあります。

もし、100VAのトランスを据えても、50%しか整流しなければ、50VAのトランスを据えたのと同じ事で、線電流が容量を超えているのに、出力が取れません。

 そういうことから、整流回路を理解しよく吟味した上で必要なトランスの容量を決定して下さい。


レギュレーションや効率、そして周波数以外に重要なのは、損傷や事故を未然に防ぐ、余裕を持った設計を心がけることです。