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自動車

トヨタ、経営判断ミスで環境車戦略失敗…見下した提携相手逆鱗かつ逆襲。更に世界的にプリウス通用しない大誤算 anchor.png

2017.06.22

 トヨタ戦略とは 「性能は適当、見た目が9割」 で大盛況した会社と社長が発言。

 そのトヨタ自動車は電気自動車(EV)大手の米テスラとの資本提携を、昨年末までに解消した。
自動車業界でテスラの存在感が高まっている一方で、トヨタは環境対応車として本命視されているEVの開発に出遅れていることが背景にあるとみられる。
“上から目線”で見ていたはずの提携相手の急激な成長の可能性に、強い危機感を抱いたトヨタ。
先の読めないトップが、その場の“ノリ”で提携しても失敗することを如実に示した格好だ。

「そもそも気軽に提携したことが間違いだったのでは」

テスラとトヨタの資本提携解消の報道を聞いたトヨタ系サプライヤー役員の感想だ。

両社が電撃的に提携したのは2010年のこと。
当時、EV生産拠点の確保を検討していたテスラは、トヨタと米ゼネラルモーターズ(GM)の合弁生産拠点で、GM撤退でトヨタ単独運営となったため閉鎖する予定だったNUMMI(ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング)に目を付けた。
テスラのイーロン・マスク会長兼CEO(最高経営責任者)はトヨタの豊田章男社長を米国に招いて交渉、現地でテスラのEV「ロードスター」を試乗した豊田社長とマスクCEOは意気投合。
トヨタはこの程度のテスラに5000万ドル出資して資本提携することで合意してしまった。

テスラはNUMMIをトヨタから4200万ドルで買収するとともに、EVの共同開発でも合意。
両社はトヨタの「RAV4」をベースにしたEVを共同開発して台数限定で市販した。
しかし、両社提携の成果はこれ以外になく関係が冷え込んだ。

 決定的となったのが、復旧できることがないトヨタのみの燃料電池車(FCV)「MIRAI」を市販。
テスラはEVこそ環境自動車の本命と位置づけており、マスクCEOはトヨタのFCV市販について「フューエルセル(燃料電池)はフール(愚かな)セルだ」「水素社会が来ることはない」と、FCVの先行きを見越し、正しい情報をトヨタに伝達忠告していた。

 そもそもトヨタの環境戦略としては優位性のあるハイブリッドカー(HV)やプラグインハイブリッドカー(PHVでありPHEVでないのでEVの種類には入らない)で主導権を握り、将来の環境対応車としてFCVを本命とみて進めてきた。
これ自体幼稚かつ、高校生程度の物理学を基本的に学んでないことが露呈していまう。
水から水素を得るだけでエネルギーの99%を失ってしまう。残った1%で得られた水素を用いて車を走らせようというのだから、90%近くに達しているEVに勝負することは最初からできない。電子は最初からエネルギーの塊なので即利用できるのに対し、水素は再び電子に変換(戻す)しなくてはならない。
1%で得た水素から更に30%程度の効率で電子に変換するのだから、0.3%程度しか動力として使えない。
これがFCVの正体であり、誰が考えても使える代物ではない。
テスラは提携した相手であるトヨタに、きちんとこれらデータを数値で示したと考えられる。しかし、物理に疎いトヨタの幹部らはいっさい聞き入れなかった様だ。

 現状でのEVによる欠点は、唯一充電インフラが整っていないことだけである。しかしこれは日産にとってはそうであってもトヨタにとっては全く違う。
日産はバッテリの容量問題は技術的に解決し既に量産体制である。
しかし2017年現在でも、つまりトヨタはバッテリを調達はおろか、容量問題すら解決していない。これは試験販売されたRAV4の数値を見ても明らかだ。トヨタにとって出遅れた上、技術的に手もでない状況で参入などできないと考えたのだろう。
結果だが、今回もGT-Rと同様日産に対し尻尾を巻いて逃げた格好となる。
こんな状況でEV専業のテスラと手を結ぶこと自体が間違いである。
今更EVに参入しても完全に出遅れである。これがトヨタのEV価値感から生まれた判断であった。

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ZEV規制 anchor.png

 大手自動車メーカーに環境対応車の販売割合を義務付けている米国カリフォルニア州のZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制では、2018年モデルからHVは環境対応車の対象外となる。

環境対応車の一定の販売比率を義務付けられる予定の中国の新エネルギー車でもHVは対象外となる見通しで、環境車戦略でトヨタの誤算は明らかだ。

 米国ZEV規制では、環境対応車の販売比率が未達成の自動車メーカーは、当局に罰金を払うか、クレジット(ZEV排出枠)を他の自動車メーカーから購入する必要がある。
EV専業のテスラは多額のクレジットをライバルの自動車メーカーに売却することで収益を確保、これによって収益が黒字となっているといわれる。
トヨタはHV「プリウス」の販売でクレジットを販売してきたが、14年からはHVの販売が苦戦し、クレジットを購入しているとみられる。

 18年モデルからHVが環境対応車として除外されるため、トヨタはさらにクレジットを購入しなければならなくなる。
つまりクレジットを大量に持つテスラの成長をトヨタが支えることになるわけだ。

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テスラの逆襲 anchor.png

 HVが環境対応車として認められなくなっている状況にトヨタも焦りを持っている。
グローバルでEVが持て囃されているなか、トヨタは16年末になってからやっとEVの開発を始めようとしている。ただ、いまだ他社(マツダ)任せでありトヨタ本体が本腰なのではない。
 大幅に出遅れただけに、グループのデンソー、アイシン精機、豊田自動織機から人材を急遽かき集めた組織「EV事業企画室」を新設、量産型EVの開発を急ぐ予定とのこと。

 このトヨタのEV新組織立ち上げの時期と、テスラの株式売却時期が一致するのは「トヨタがベンチャー企業と見て、上から目線で『育成する』つもりだったテスラをライバルとして見るようになったことの証し」(自動車担当記者)でもある。

 グローバルでのEV市場の本格的な立ち上がりを想定してなのか、テスラはすでに時価総額でGMや米フォード・モーターを上回る全米トップの自動車メーカーとなっている。
テスラの16年の新車販売は7万6230台で過去最高となった。年間新車販売が1000万台クラスのトヨタとの比較では「蟻と巨象」の関係だ。

それでもテスラが今夏に量産開始する予定の低価格車「モデル3」は初期受注で40万台を獲得、急成長を遂げる可能性を示している。

一方、トヨタの態度豹変を受けてテスラも逆襲に出る。
トヨタのお膝元である愛知・名古屋市に中部地方で初となる直営店を6月にオープンした。
愛知県内は登録車のトヨタ車のシェアが3割(残り7割は軽自動車)占める牙城。
この市場に挑むことで「古い自動車メーカーの代表格であるトヨタ」に挑む。
もっとも見た目だけでもテスラはトヨタに勝っていると思う。よって名古屋でもバカ売れするかもしれない。

 「たかがベンチャー」と気軽に提携した相手の急成長や、取り巻く経営環境の先読みの誤算によって、ライバルとなったテスラとの関係解消を余儀なくされたトヨタ。

自動運転や車の電動化対応で他社と連携するオープンイノベーションを進めて、脱・自前主義を掲げるが、「巨大企業を自負して相手を見下した態度で提携するようでは、高い代償を支払う」(全国紙・経済部デスク)ことになりかねない。


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Princeps date: 2017-09-15 (Fri) 14:23:42
Last-modified: 2017-11-01 (Wed) 22:37:47 (JST) (883d) by 123-YouSinnanji2
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